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山中温泉・東尋坊

2004年5月13日14日

 ジジババまで含んだ家族旅行第三段は前回の飛騨古川などに引き続きセネガルから一時帰国しての旅行。

 13日、出発の日から運悪く雨。前回の旅行の時も雨にたたられましたが、今回もまた雨の中を出発です。それでも自宅から車ですからさほど気にはなりませんが。

 前回は東海北陸自動車道を利用しましたが、今回は名神高速から北陸自動車道へ。加賀インターまで走ります。途中のサービスエリアで昼食にしましたが、まあ、なんと言うか、サービスエリアの昼食ですね。

 しかし北陸自動車道、初めて通りましたが福井県とか石川県がこんなに近くなっていたなんて驚きです。いや滋賀県の北部だって随分近いです。以前この辺りに来たのは学生時代ですから30年くらい前。当時は東海道本線で米原まで来て、そこから北陸線の鈍行を乗り継いで訪ねましたから。本数は少ないし、スピードは出ないし、随分遠いところに来た気になったものですが。

 インターを降り、超便利なカーナビの示すとおりに進んで谷あいの小さな町に入っていくとそこが山中温泉。実際には親父の車のカーナビのデータよりも新しいトンネルができていて、今回使った加賀インターではなく、福井北インターからの近道があるのだとか。カーナビだけに頼らずに調べた方がよいですね。

 それはともかく、細い町中の道をしばらく進むと今日の宿、「白鷺宿 たわらや」への案内がありました。道を左に折れ、その行き止まりがたわらやさんでした。車は直接建物の一階部分にある駐車場に入れられます。ここは上階がありますから、雨の日でも傘をささずにフロントまで入ることができます。山中温泉は雨が多いところだそうですし、それも考えられているのでしょうか。

 さてロビーに入るとびっくり。ロビーのソファーなどが置いてあるところの向こう側が大きなガラス張りになっており、その外側は鶴仙渓と呼ばれる風光明媚な谷。そして新緑に光る対岸の山の斜面がガラスを通して一面に見える、という趣向なのです。この山の斜面は客室各室からも見えるようになっており、夜はライトアップされますし、とても気に入りました。なかなか考えられたデザインです。

 ところでこのたわらやさん。なんと創業以来八百年、現在三十五代目だとか。山中温泉の歴史は約1300年前に、僧行基によって発見されたと言い伝えられ、古いことで有名ですが、俵屋は鎌倉年間に創業しています。さすがに古いだけあって場所もよいし、サービスもなかなかのものでした。

 お風呂は大浴場と露天風呂がそれぞれ男女用にあります。面白いのは、女性用のほうが大きいこと。ただし夜8時から午前3時までは入れ替えとなります。まあ一番入浴者が多い時間帯は男性が大きい風呂を使えるわけですが、大きい方を女性用と称しておくなんて、ちょっとしたことですがなかなかのアイデアですね。

 お湯は単純泉で無色透明。匂いもなくさらっとしています。お湯は熱めの設定になっているので、小さな子どもにはちょっと入りにくかったですが。

 さて驚きは何と言っても食事。温泉旅館には付き物の会席料理なのですが、さすが北陸だけあってカニはたっぷり。ちょっと季節外れですから最高にうまい!とは行きませんがそれでも十分に堪能できます。実は今回は連休後の一番安い時期を狙って行って、一人当たり税込みで9900円だったのですが、一人ずつに焼ガニ、あるいはアワビの踊り焼き、あるいはステーキまで付きます。ゴールデンウィークなら4万円を超える料金なんですから、この値段でこの料理は驚き。さらに東尋坊での乗船券とか、山中温泉の周遊バス乗り放題まで付いているのですからお得です。

 仲居さんがまたとても感じが良くて親切。お酒の持ち込みも「ええかまいませんよ。冷蔵庫を使われたかったら、中のもの出してくださいね」。さらに子ども向きに白いご飯を用意してくれたり、あまった炊き込みご飯をおにぎりにしてくれたりと至れり尽くせり。こうなると、心からチップを渡したくなってしまいます。

 夜風呂上りに部屋のベランダに出ると、まだ雨が降っているのですが、対岸がライトアップされてとても緑が美しいのです。湯上りでほてった体を冷ますには雨でしっとりした五月の夜風は最高でした。

 さて翌朝は朝風呂を浴び、朝食をいただき、山中温泉の散策に。ここは町の中に漆塗りやガラス細工、轆轤細工、そして九谷焼などの工芸品を扱う店も多く、また歴史のある建物もあります。川沿いには遊歩道もありちょっとしたハイキング気分も味わえます。この朝はまだ小雨が降っていましたから遊歩道はあきらめ、宿の傘を借りて散歩と、周遊バスを利用します。

 山中温泉の周遊バスがこれまたアイデア物。一日乗車券を宿でもらって乗り込んだのですが、谷に沿って細長い山中温泉を約30分おきにぐるぐる回っています。ガイドさんは宿の女将さんなどが交代で務めています。適当なところで降りて30分経てば次のバスに乗れる、という寸法です。

 バスが行く一番奥には菅原神社のお社があり、ここには樹齢2300年と言われる大きな杉があります。山中温泉は非常に湿った気候ですから屋久島のように杉には好都合なのでしょう。確かに根回り十数メートルの大杉はとても立派でした。この神社の前ではバスは10分間停車してくれます。杉を見て、さらに向かい側にある茶屋で名物の草だんごを買える、という寸法です。

 草だんごをおやつ用に買いこんで再度バスに乗り、こおろぎ橋で下車。こおろぎ橋は木で作られた小さな橋ですが、車両も通れます。その両側の渓谷はなかなか美しい景観です。ちなみに谷沿いの遊歩道はここからスタートしているのですが、やはり雨の日に子連れで行くのはちょっと大変そうでした。

 橋を見てから町を散策し、土産物屋を冷やかしながら宿に戻ります。途中には片岡鶴太郎さんのギャラリーなどもあります。でも子どもが退屈するだろうからとここはパス。そう言っておきながらきき酒ができる酒屋さん(「獅子の里」という地酒を造っている松浦酒造)にはしっかり立ち寄るのですから大人は身勝手なもの。

 昼過ぎに宿を出てあやとりはしという勅使河原宏氏が設計したS字型の面白い鉄製の橋を見学してから山中温泉をたち、東尋坊へと向かいます。今回の旅行では一乗谷の朝倉遺跡などにも立ち寄りたかったのですが、天気が悪かったのであきらめて、温泉以外は東尋坊だけに絞りました。

東尋坊

 約1時間ほどで東尋坊へ。駐車料金500円を払ってタワーの真下に車を停めます。土産物屋の立ち並ぶ中の一軒の食堂でお昼ご飯。味は…典型的な観光地の味、と書いておきましょう。冬、越前ガニの季節に来ればまた違った感想が書けるのでしょうけど。

 東尋坊は上から眺めるのはそこそこに、今回のツアー料金に含まれている船に乗り込みます。所要時間は約30分。これが結構楽しめます。この頃には天気が回復していたので、海は真っ青、白い波しぶきがとても美しく見えます。ガイドのおじさんの話がまた結構面白い。ちょっと前に名古屋港で遊覧船に乗ったのですが、その料金が千円。東尋坊の遊覧船が1100円ですから、随分割安に思えてしまいます。

 時間は午後3時頃だったのですが、日本海側の東尋坊は夕方の方が日が岸壁に当たって眺めるには良いとのこと。確かにとてもきれいでした。船の窓越しにあたるうららかな日差しに息子が眠気を催し、船の中で寝てしまったので、車まで抱いて帰るのが大変でしたが。

 東尋坊を堪能した後は再び北陸自動車道を経由して帰ってきました。天気には恵まれませんでしたが、温泉と言い、食事と言い、病み付きになりそうな小旅行でした。


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